実はこんなところにも?コーヒーカプセル に使用されるポリビニルアルコール(PVOH,PVA)のご紹介
ガスバリア性とは、気体が包装容器を通過するのを防ぐ性質のことです。この記事ではガスバリア性の概要やメリット、具体的な活用事例を紹介します。また、バリア性能を有したポリビニルアルコール(PVOH,PVA)についても取り上げています。ぜひご覧ください。
食品用のプラスチック包装容器について
食品の包装容器には、ガラス、金属、紙が使われてきましたが、現在は加工性や軽量化の観点から主にプラスチック材料が使われています。プラスチック材料の加工性の高さから、フィルム成形、シート成形、射出成形、ブロー成形などの技術を用いて、さまざまな用途の包装容器が製造され、私たちの生活に欠かせない存在になっています。
しかし、プラスチック材料は安定した材料であるため、投棄されると自然界では分解されにくく、土壌汚染や海洋汚染の問題を引き起こします。そのため、昨今、プラスチックの廃棄物問題が取り上げられるようになり、今後は、環境に配慮した包装容器設計が求められ、軽量化や減容化、リサイクルしやすい素材、生分解性樹脂の開発が注目されます。
おもな食品用のプラスチック包装容器
プラスチック包装容器は、溶融押出成形や、コーティング技術で作られています。
身の回りの様々なところでプラスチック包装容器が活用されています。
- スナック菓子の軟包装
- カプセル式コーヒーマシンの生分解性コーヒーカプセル
- インスタントごはんなどの米飯トレイ
- ソーセージなどのケーシングフィルム
- マヨネーズなどの積層ボトル
- インスタントカレーなどのレトルトパウチ
- インスタントカップラーメンのカップ
「プラスチック包装容器の層構成」
食品用のプラスチック包装容器に求められる機能
商品の保護性
商品の保護は非常に重要です。製造から小売り、小売りから消費者まで、商品は流通過程で落下や衝撃、荷重変形にさらされています。そのため、商品を守るためには、流通条件に合わせて包装容器の仕様や材料を選定することが必要です。適切な容器包装を選ぶことで、商品の疲労破壊を防いだり、商品の美観を保ったりすることができます。
食品の鮮度、品質の保持
食品の鮮度、品質を長持ちさせるために、酸素、水分、光、温度、微生物などの外部要因を抑える必要があります。そこで多層フィルムの構成にし、バリア層を有する食品包装容器することで、食品の変色や酸化、腐敗などを防ぐことができるため、食品の鮮度や品質を長持ちさせることができます。
食品の鮮度、品質を長持ちさせることは、食品廃棄物量を減らすことに繋がり、フードロス削減に貢献することができます。
ガスバリア材として使われるPVOH
ポリビニルアルコール(PVOH, PVA)は、優れたガスバリア性能を持っていることからプラスチック包装材料のガスバリア材として利用されています。
しかし、ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)のバリア性は、低湿度の条件で非常に優れたバリア性を発現しますが、高湿下ではバリア性が悪くなるため乾燥食品用途(ドライフードやチップス)といった限られた包装容器に使用されることが多いです。
ただ、ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は、低湿度条件においては、他のプラスチック樹脂材料よりもガスバリア性が優れているため、バリア層の薄膜化が可能となり、プラスチック材料の削減に貢献することができます。すなわち、ポリビニルアルコール(PVOH、PVA)は、環境にやさしく、持続可能性に配慮した包装材料の開発に寄与することができる材料です。
コーティング加工特性に優れたニチゴーGポリマー™
ニチゴーGポリマー™は、ガスバリア性を維持しながら結晶性をコントロールすることが可能なポリビニルアルコール(PVOH,PVA)系樹脂です。従来のポリビニルアルコール(PVOH, PVA)は、調整した水溶液の安定性が悪く、低温環境下での保管においては水溶液が増粘し、塗工膜厚の均一性が下がることが懸念されていました。
ニチゴーGポリマー ™は、よりすぐれた溶解性能、水溶液の安定性や、またアルコール混和性といったコーティング加工特性に優れていることから、製品の品質が向上し、製造プロセスの効率化に貢献することができます。
ガスバリアコーティング用途でPVOH水溶液の溶液安定性でお困りの方は、ニチゴーGポリマー™をぜひご検討ください。
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