ガスバリア包材
(コーティング)

バリアフィルム

バリアフィルムにニチゴーGポリマー™を使用する際の推奨グレード

ニチゴーGポリマー™の水溶液を基材にコーティングすることで、バリアフィルムに高いガスバリア性を付与できます。

バリアフィルムにニチゴーGポリマー™の水溶液を基材にコーティングする際の推奨グレードは、標準グレードと低粘土タイプです。

それぞれの品種・粘土・推定重合度・ケン化度・融点については、下図の通りです。

特徴品種粘度 1)
(mPa・s)
推定重合度ケン化度
(mol%)
融点 2)
(℃)
標準グレードBVE8049Q*4.5450≧99.0190
低粘度タイプAZF8035Q*3.0300≧98.0172


1):JIS K 6726-1994に準ずる(4%水溶液 20℃ ヘプラー粘度計)
2):DSCで測定
*食品包装材料用推奨グレード
上記数値は、代表値であり、保証値ではありません。

ニチゴーGポリマー™の水溶液を基材にコーティングする際の推奨条件

コーティングする際の推奨条件となる溶媒・溶液濃度・乾燥温度は以下の通りです。

・ 溶媒:水 又は、水/アルコール(例:水/エタノール エタノール 50wt%以下)
・ 溶液濃度:5-15%(コーティング装置、目標塗工厚み、ラインスピードによります)
・ 乾燥温度:70-120℃

接着性を確保するため、コロナ処理を行った基材フィルムの使用を推奨します。
また、濡れ性、接着性の改良には、アンカーコート剤の使用も有効です。

ニチゴーGポリマー™とEVOHの酸素透過度

以下のように、EVOHと比較してニチゴーGポリマー™は高いバリア性を有します。

ニチゴーGポリマー™とEVOHの酸素透過度

推奨アンカーコート剤

当社が推奨するアンカーコート剤について紹介します。

【アンカーコート剤(親水性)】
親水性のアンカーコート剤は、下図に記載されているものを推奨します。
(AC剤メーカー資料参照)

商品名チタボンドT-100DICドライAC-108
メーカー日本曹達DICグラフィックス
主成分ポリエチレンイミンポリエチレンイミン
濃度11wt%8wt%
溶媒メタノール
推奨希釈倍率1/291/29
希釈溶媒水/エタノール
20/96wt%
水/アルコール
10/19wt%


濡れ性改善剤を添加することで、疎水性のアンカーコート層にも塗ることができます。
疎水性のアンカーコート剤は、下図に記載されているものを推奨します。
(AC剤メーカー資料参照)

品名EL-530AEL-530B
製造会社東洋モートン東洋モートン
主成分ウレタンポリエステルポリエステル
有効成分50wt%50wt%
溶媒酢酸エチル酢酸エチル
推奨希釈倍率
(EL-530A or EL-530B/溶媒)
100/600 -1,400100/600 -1,400
希釈溶媒酢酸エチル、メチルエチ ルケトン,
トルエン
酢酸エチル、メチルエチ ルケトン,
トルエン

【接着強度】
バリアフィルムにおける接着強度は下図の通りです。

フィルム構成剥離箇所接着力
(N/15mm)
コロナ処理O-PET/チタボンドT-100/
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q
PET/AC0.86
コロナ処理なしO-PET/チタボンドT-100/
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q
PET/AC0.07
コロナ処理OPP/チタボンドT-100/
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q
PP/AC0.94

 

推奨濡れ性改善剤

アンカーコート層の上にニチゴーGポリマー™水溶液を基材に塗工する場合には、濡れ性改善剤のご使用を推奨します。

当社が推奨する濡れ性改善剤は、日信化学工業様のオルフィン EXP-4123です。http://www.nissin-chem.co.jp/products/olfine.html

ニチゴーGポリマー™水溶液に対して添加量が0.1wt%の)濡れ性改善剤を添加することで、親水性のアンカーコーティング層はもとより、疎水性のアンカーコート層にも塗ることができます。

また、濡れ性改善剤の併用によるガスバリア性の低下はほとんどありません。

推奨する濡れ性改善剤のフィルム構成は下図の通りです。

推奨濡れ性改善剤(フィルム構成)

フィルム構成濡れ性接着性
(T ape test)
コロナ処理O-PET/EL-530/
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q
不良
コロナ処理O-PET/EL-530/
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q+EXP‐4123
良好良好


推奨する濡れ性改善剤のサンプルは下図の通りです。

推奨濡れ性改善剤(サンプル)

品 種OTR(cc 3µm / ㎡ day atm)
23℃ 50%RH23℃ 80%RH
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q0.4100
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q
+EXP‐4123
0.4100


下図のように、濡れ性改善剤を使用することで、基材への濡れ性を改善できます。

濡れ性改善剤を使用することで、基材への濡れ性を改善

ニチゴーGポリマー™の使用用途については、以下の記事でも解説しています。

ニチゴーGポリマー™のボトル用途:URL
ニチゴーGポリマー™の溶融成形フィルム用途:URL
ニチゴーGポリマー™の射出成形品用途:URL
ニチゴーGポリマー™の生分解性バリア包材用途:URL