アニオン性PVOH Tシリーズ
アニオン性PVOH Tシリーズをご紹介します。
ゴーセネックス™T シリーズ
分子内にカルボキシル基を有するアニオン性の特殊変性PVOHです。
ゴーセネックス™Tは、優れた溶解性や接着性に加え、カルボキシル基の反応性を利用し、コート剤(特に紙用コート剤)、接着剤、バインダーとして、国内はもとより世界各国のユーザーによりご愛顧いただいております。
化学構造イメージ図
特徴
・水溶液は高分子電解質挙動を示します。
・水に対する溶解性に優れています。
・水溶液は粘度安定性に優れ、高剪断速度下における流動異常を起こしにくく、高速塗工性が良好です。
・アルカリ水溶液への溶解性に優れています。
・デンプンなどの水溶性高分子との相溶性が良好です。
・金属イオン(特にアルミニウムイオン)とキレートを形成し、架橋、不溶化します。
・紙への塗工において、表面強度・Z軸強度の向上に優れます。
・紙のバリヤー性改善に有効です。
ゴーセネックス™Tの品質と規格
品種 | ケン化度(mol%) | 粘度 *1 (mPa・s) |
T-330H | 99.0以上 | 27.0~32.0 |
T-330S *2 | 95.0~98.0 | 27.0~33.0 |
T-350 | 93.0~95.0 | 27.0~33.0 |
*1 : 4%水溶液、20℃
*2 : 微粉タイプ
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂による架橋性
品種 | 架橋剤量(%) | フィルム乾燥条件 | 溶出率(%) |
ゴーセネックス™ T | 0 | 23℃ × 風乾 70℃ × 2min 70℃ × 10min | 100 100 100 |
5 | 23℃ × 風乾 70℃ × 2min 70℃ × 10min | 100 100 64 | |
10 | 23℃ × 風乾 70℃ × 2min 70℃ × 10min | 71 59 42 |
溶出率:フィルムを70℃×1hr熱水抽出した際の溶出率(%)を算出
架橋剤: WS-570 (固形分: 12.5%) 星光PMC製
架橋剤量: 有効成分量/PVOH
生分解性
品種 | 生分解率(%) |
ゴーセノール™ GH-17 | 67 |
ゴーセネックス™ T | 45 |
生分解性試験:
「プラスチック-水系培養液中の好気的究極性分解度の求め方-閉鎖呼吸計を用いる酸素消費量の測定による方法」に準じて試験実施。(JIS K6950:ISO14851:1999)
試験条件:
試料物質濃度 100mg/lx 植種濃度 90mg/l 標準試験培養液 300ml
試験温度 25±1℃ 試験期間 28日
活性汚泥 三菱ケミカル株式会社岡山事業所内の返送汚泥を使用
応用例
紙加工剤
紙の表面強度、印刷適性、ベッセルピック防止、Z軸強度の向上に有効です。
部分ケン化型は、紙のバリヤー性改善に有効で、シリコーン離型紙のアンダーコート剤等として利用されています。
合板用接着剤
初期接着力に優れています。
セメント・モルタル用混和剤
アルカリ安定性に優れています。
ゴーセネックス™Tの紙塗工物性
品種 | IGT Pick 強度 (㎝/sec) | Z軸強度 (㎏/㎝) | 透気度 (sec) | 吸油度 (sec) |
ゴーセネックス™ T-330H | 95 | 2.5 | 10 | 12 |
ゴーセネックス™ T-350 | 85 | 2.2 | 35 | 80 |
ゴーセノール™ N-300 | 65 | 1.7 | 8 | 10 |
酸化デン粉 | 50 | 1.3 | 8 | 8 |
原紙:L-BKP 100 % 、坪量 66g/m2 サイズプレス:90m/min 線圧 11kg/cm
乾燥:150℃×3min 着量:1g/m2
溶解法
ゴーセネックス™Tの溶解方法
常温水に徐々に投入し、よく分散させた後、昇温しさらに撹拌し続けながら80~90℃で30~60分保ち溶解してください。
ゴーセネックス™の排水負荷
樹脂 | COD(㎎/㎏) × 10⁴ | BOD₅(㎎/㎏) × 10² |
ゴーセネックス™ T | 99 | 83 |
ゴーセノール™ | 60~100 | 50~100 |
コーンスターチ | 36 | 7,400 |
測定条件:
COD(化学的酸素要求量);過マンガン酸カリウム法(JIS K 0102)
BOD₅;5日間のBOD(生物学的酸素要求量)値
試料濃度は純分換算試料濃度は0.1 % 水溶液
測定:計量証明事業登録 大阪府第10013号 株式会社 大阪環境技術センター