水溶液特性
低発泡性
ニチゴーGポリマー™は、その分子構造により、水溶液は消泡性に優れています。
消泡剤を添加することなく、作業性に優れた水溶液が得られます。
PVOHとの発泡比較
右:ニチゴーGポリマー™(完全ケン化タイプ)
左:PVOH(完全ケン化タイプ)
【試験方法】
1%の水溶液(200ml)を1Lメスシリンダーに入れ、300cc/minの空気をスパージャーを通して吹き込み、経時的な泡の高さを観察
水溶液粘度安定性
低温・保存安定性
ニチゴーGポリマー™の水溶液は、低温保存下でも良好な粘度安定性を示します。
また、結晶性を制御することにより、水溶液の増粘性をコントロールすることができます
ニチゴーGポリマー™:完全ケン化タイプ
10%水溶液, 5℃保存 粘度測定:B型, 10rpm
高せん断域粘度安定性
ニチゴーGポリマー™の水溶液は、高せん断下でも流動異常を起こしにくい特長を有しています。
高速塗工などへの対応が期待できます。
部分ケン化PVOH;ケン化度88mol%
【測定】
キキャピラリーレオメーター, 7.5%水溶液
アルカリ水溶液中での安定性
ニチゴーGポリマー™は、高濃度のアルカリ水溶液でも粘度変化を起こしにくく安定です。
【試験方法】
12%の樹脂水溶液と20%のNaOH水溶液を1:1で混合
23℃で3日間放置後の溶液状態
10%濃度のNaOH水溶液に各樹脂を溶解したときの溶解状態
品種 | 溶解直後 | 1日後 | 1週間後 |
ニチゴーGポリマー™AZF8035Q | 溶解 | 溶解 | 溶解 |
部分ケン化PVOH | 不溶解物あり | ゲル化 | ゲル化 |
完全ケン化PVOH | 不溶解物あり | ゲル化 | ゲル化 |
【条件】
樹脂濃度:6%
溶解条件:90℃, 1時間
保存温度:40℃
5℃, 23℃に放置した場合の各pHにおける粘度を測定しました。
5℃では、完全ケン化PVOHは1日でゲル化するのに対し、ニチゴーGポリマー™は、各pHの領域で粘度安定性に優れています。
水溶液の経時粘度安定性
品種 | pH | 水溶液の粘度(mPa・s) | |||
5℃ | 23℃ | ||||
初期 | 1ヶ月後 | 初期 | 1ヶ月後 | ||
ニチゴーGポリマー™ | 3.0 | 170 | 170 | 110 | 110 |
8.0 | 170 | 180 | 110 | 110 | |
13.0 | 160 | 180 | 110 | 110 | |
完全ケン化PVOH | 3.0 | 200 | ゲル化 | 120 | 130 |
8.0 | 190 | ゲル化 | 120 | 130 | |
13.0 | 230 | ゲル化 | 120 | 140 |
【試験方法】
7%水溶液のpHを10%酢酸水溶液で3.0、10%NaOH水溶液で8.0、13.0に調整し、5℃及び25℃で1ヶ月保管後の粘度を測定
アルコール添加許容性
ニチゴーGポリマー™は、低級アルコールを多く含む水溶液にも溶解します。
水/アルコール溶液溶解性 | 溶液温度:80℃ | |||||
品種 | 樹脂濃度 (wt%) | 溶媒のエタノール/水の比率(wt%) | ||||
0/100 | 30/70 | 40/60 | 50/50 | 60/40 | ||
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q | 5 | |||||
10 | ||||||
15 | ||||||
20 | ||||||
完全ケン化PVOH | 5 |
:溶解 | :折出 |
水/アルコール溶液溶解性 | 溶液温度:80℃ | ||||||
品種 | 樹脂濃度 (wt%) | アルコール | 溶媒のエタノール/水の比率(wt%) | ||||
0/100 | 30/70 | 40/60 | 50/50 | 60/40 | |||
ニチゴーGポリマー™ BVE8049Q | 10 | メタノール | |||||
エタノール | |||||||
iso-プロピルアルコール | 相分離 |
:溶解 | :折出 |
表面張力
ニチゴーGポリマー™の水溶液は、PVOHに比べ高い表面張力を示します。
PVOHとの表面張力比較
ニチゴーGポリマー™AZF8035Qの水溶液の表面張力